この映画を見てきました。
目の前の光景、何が行われているのか理解できず、いえ、できます(どっちやねん。
スクリーンに映し出されていたのは、触手話というもの。それはわかるのです、目にしたのも初めてではなかったはずですが、目が見えない方がまるで見えてるかのように洗濯物を干して、聞こえない・話せない方同士が触手話によって「言葉」を交わしている光景に対して私の「言葉」はありませんでした。
映画の感触はとても不思議で、ドキュメンタリーといえばドキュメンタリーだけど、「普通」ではない日常を切り取られたもの、とらえどころのない感じ。
その意味するものがわかったのは、恥ずかしながらパンフレットに掲載されていた監督やプロデューサーなどスタッフの対談を読んでから。
そして盲ろう者として日本初の大学入学者となった福島智氏の詩。
『指先の宇宙』
ぼくが光と音を失ったとき
そこには言葉がなかった
そして世界がなかった
ぼくは闇と静寂の中でただ一人
言葉をなくして座っていた
ぼくの指にきみの指が触れたとき
そこに言葉が生まれた
言葉は光を放ちメロディーを呼び戻した
ぼくが指先を通してきみとコミュニケートするとき
そこに新たな宇宙が生まれ
ぼくは再び世界を発見した
コミュニケーションはぼくの命
ぼくの命はいつも言葉とともにある
指先の宇宙で紡ぎ出された言葉とともに

ぼくの命は言葉とともにある (9歳で失明、18歳で聴力も失ったぼくが東大教授となり、考えてきたこと)
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メラビアンの法則にいいくるめられてしまいがちだけど、やっぱ「言葉」って大切なんだな!
文章、テキスト、文字という形をとっていなくても、コミュニケーションの手段は言葉なんだな!
頭の中のものは言語化しようぜ!!
いえ、言語化しなくてもかまいません(どっちやねん。
言語化しようと試みること、それは相手との間に橋をかけようという歩み寄りの気持ちそのものではないでしょうか。
さて、みなさんご存知のように(知らんか)私のいろんな方向性を決定づけた映画、それが「Tommy」です。
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先日、裁判所に出頭するために富山に行ってきました。帰りの列車に乗る際、暇つぶしの本を、とコンビニに入って目についたのがこれでしてね。

奇跡の人 The Miracle Worker (双葉文庫)
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盲ろう3連荘、恐るべし、カラーバス効果!!
さー、これには何の意味があるのかな、と考えないと、アンモナイト。
「奇跡の人」はヘレン・ケラーというかサリバン先生の物語がたたき台にされています。タイトルもそのまんまですが、奇跡の人ってのはヘレン・ケラーのことじゃなくてサリバン先生を示すものなんですよね。
誰もが見捨てていたヘレンの可能性をあきらめずに、手を差し伸べ続けた、そして盲ろうの闇からヘレンを救い出した。
ウォーターって言葉を発するシーンが有名ですが、なるほど、触手話を使っていたのか、言葉を獲得していくプロセスがとてもよくわかりました。
盲ろうの娘「れん」の教育を周囲がどんなにやめさせようとしても、安先生はあきらめないのです、「れんが本来もっている力を発揮させたい」と。
そう、新たに何かを獲得するのではなくて、もっているものを出すだけでいいのです。そらー、その「出させる」ということが大変なわけですが。
安先生は、誰もがもって生まれたものがあるということに、微塵も疑いを抱いていなかったのです。出せていない力をどう引き出すか、そのことにのみ安先生は腐心したのです。
たとえ生まれついての盲ろうであったとしても、感じる力はあるはず、うまく機能していない器官のかわりとなるものを使えるようになればいい、それが本来の力を引き出すことになる。
言葉として機能する、コミュニケーションが成立する。
本来もっているものを使えるようにする、このフレーズが何度でてきたことか。
読み終えた後、またTommyの内容を反芻しました。
Tommyを見ざる・言わざる・聞かざるにしてしまった母とその再婚相手、その2人が暴徒に殺された後にTommyは走り出すのですが、そっか、親がいる限りTommyは自由になれなかったんだな。親を死なせないと、Tommyに真の解放はやってこなかったんだな。
ラスト、コーラスが「listening to you」と歌います、この「you」はTommyのことだろ、と思ってこれまでは聞いていましたが、途中からコーラスではなくTommy、ロジャー・ダルトリーの歌になります。
Tommyが歌うなら、「you」って誰なのよ。
Listening to you I get the music
Gazing at you I get the heat
Following you I climb the mountain
I get excitement of your feet
Right behind you I see the millions
On you I see the glory
From you I get opinions
From you I get the story
設定はキリスト的な何かなのでしょうけれど、もしも創造主的な存在があるなら、そのものが人に与えた持って生まれたものの力は途方もないのではないかと。
誰もがすごい力を持っているのではないか、と。
それが後天的(たとえ生まれつきであっても、持って生まれるべき力が生まれる前に蓋されちゃった、ってことで)に何らかのダメージを受けたせいで、本来の力を発揮できない、本来の力に見合った成果を得られない。
盲ろう3連チャンの結論は、誰もが持って生まれたものがある、本来の力を発揮できないような後天的な何かがある、そして人と人を繋ぐのは言葉。言葉とは思考や思い、単に文字や文章という意味ではない。
蓋をとっぱらって、錆び付いてるアンテナを磨いて、必要な電波をキャッチするというお仕事を頑張ってしてもらいましょう。
サビ落とし、お手伝いさせていただきます。
3月7日(水)・8日(木)は東京出張です。
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占いはするけど占い師じゃない、
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